国際シンポジウム:
『日本-ドイツ科学協力の展望:ドイツ同窓会10周年記念』


 去る4月21-22日ドイツのボン市で開催された、「日本学術振興会ボン研究連絡センター」および「JSPS(日本学術振興会) ドイツ人同窓会」主催のシンポジウム「日本-ドイツ科学協力の展望:ドイツ同窓会10周年記念」に、理学教室の堀川直顕教授が出席し、招待講演を行いました。このシンポジウムの模様について堀川教授に伺いました。

講演している堀川教授


堀川教授のボンJSPSシンポジウム・レポート


 JSPS-Clubは、日本学術振興会の支援を受けて来日し、日本で長期に研究をしたドイツの研究者が組織しているボン市の公益法人の友好団体で、今では参加者も130人を超えているそうです。しかし、JSPSに招かれて日本に来て研究した人の数は1200人をこえていて、さらに会を大きくすべく努力中とのことです。このシンポジウムにはドイツ各地から参加した研究者の他に、フンボルト財団、DFG(Deutsche Forschungsgemeinschaft)、DAAD(Deutscher Akademischer Austausch Dienst)の関係者等、260人あまりが参加して開催されました。シンポジウムは、日本学術振興会の支援で共同研究を行った自然科学、人文・社会科学分野から、バイオテクノロジー、金属表面腐食のナノ構造、素粒子物理学、教育学、法律学、心理学の6つの専門分野を取り上げ、ドイツ人研究者と日本人研究者がカップルで講演を行う形式で行われました。
 私はボッフム大学のWerner Meyer教授と組み、1972-2005にわたる名古屋大学時代からの30年以上にわたる高エネルギー(素粒子 ・原子核)物理学での共同研究の歴史と研究内容について講演を行いました。はじめにMeyer教授が、ギリシャ時代から今日までの「物質の起源」を探る試みのレヴューを行い、私が今日の研究課題「核子スピンの起源」の研究、それに必要なスピン偏極標的の共同開発の歴史と成果について話しました。(因に、講演課題は「Collaboration between Nagoya(chubu, Yamagata, Miyazaki)-Bonn(Bochum, Mainz) on Spin and High Energy Physics」でした。)
 開会に先立ち、JSPSボン研究連絡センターの田中靖郎センター長、1953年W.Heisenberg博士がフンボルト財団の会長になったとき請われて事務総長になって後39年間フンボルト財団事務総長を努められたHeinrich Pfeiffer博士の挨拶、また、日本学術振興会の木曽 功理事による「日本学術振興会の活動の紹介」がなされました。
 夕食パーティーを終えると、その場はダンス会場に変身し、いつもは謹厳に見えるドイツ人が、夫婦やカップルで夜半まで踊る、という楽しいプログラムも織り込まれていました。日本人のシンポジウム参加者は、日本学術振興会ボンセンターの樋口さん、清水さん,足立さんや日本大使館関係者、日本からのJSPSと文科省出張者、またドイツ人研究者の奥さんとなっている人などで、楽しく盛大なシンポジウムでした。
 シンポジウムの期間中に、ドイツの雑誌社、ラジオ、新聞社等、4社のインタビューがあり、私もMeyer教授ともどもラジオ社に「なぜヨーロッパで研究するのか?」とか、「素粒子・原子核研究はなぜ必要か?」等数々の質問に答えることになりました。ともあれ、とても楽しくかつ、社会的にも関心の高いシンポジウムでした。

講演会場の様子